
愛しすぎた男
怖いものといえば女である。ハイスミスは、ヒッチコック映画の原作で有名なミステリー作家とされているが、小説好きの人たちは口を揃えて「心理を描く名人」という。
そうなのだ、主人公は(多分)ハンサムで優秀な青年である。それなのに彼はストーカーまがいのものになってしまうのである。何故だろう?問題は勿論彼にある。だが待てよと思う。女たちの思わせぶり、気まぐれ、おせっかい。それが彼を苛々させ、誤解させ、破滅させる。本当は女が問題なのだ。そういえば、ハイスミスは女嫌いなのじゃないかと誰かが書いていた。
彼は、最後まで分からなかっただろう。どうしてこうなってしまったのか。明るかった筈の自分の未来は、どこに行ってしまったのか。女にはご用心である。